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2004年10月06日
奈良県獣医師会傷病野生鳥獣救護制度について(4)
3. 実際の保護活動について
奈良県内の動物病院に保護されてきた実際の症例を紹介します。これら症例の多くは人間社会と無関係ではありません。そして県民の皆さんと獣医師が協力して行える自然保護活動の一つです。
●症例1.カモの頚椎脱臼
| 動物種 | カモ (成鳥 メス) | 保護年月日 | 2000年5月9日 |
| 保護の場所 | 佐保側の支流にて地元の方が保護 | ||
| 保護の状況 | 川に流されて沈みかけていた | ||
| 負傷の状態 | 頚部を自力で上げる事ができない。 頭部に裂傷、眼球しんとう、体温低下が見られる。 レントゲン検査にて頚椎脱臼を確認。 | ||
| 治療の概要 | 抗生物質を3日間注射。 五分のすり餌とヒヨコの餌をカテーテルにて強制給餌(1日3回)。 保護後約1ヶ月で頚部を持ち上げる事が可能になり、水浴びができるまで回復した。 | ||
| 最終転帰 | 2000年11月25日に奈良県森林保全課に移管。 | ||
頚部を自力で持ち上げられない
頚椎脱臼が見られる 回復し、水浴びをしている
●症例2.タヌキの交通事故
| 動物種 | タヌキ (成獣 オス) | 保護年月日 | 2001年2月1日 |
| 保護の場所 | 生駒市東生駒2丁目で生駒職員が保護 | ||
| 保護の状況 | 道路側溝に落ちていて、衰弱していた。 | ||
| 負傷の状態 | レントゲン検査で左骨盤(腸骨)骨折と左股関節脱臼があり、交通事故と思われる。 | ||
| 治療の概要 | 輸液にて状態の安定化をはかる。 2月4日に腸骨のプレーティングと左大腿骨骨頭切除を行う。 以後、順調に回復を見せる。 | ||
| 最終転帰 | 2月15日 放獣。 | ||
骨盤骨折と左股関節脱臼 手術前
手術中 手術後(プレーティング)
元気 放獣 (元気に走り去る)
●症例3.ハトの右脛骨骨折
| 動物種 | ハト (成鳥 メス) | 保護年月日 | 2001年12月8日 |
| 保護の場所 | 橿原市の長寿村駐車場にて地元の人によって保護される。 | ||
| 保護の状況 | 歩行もできず、バタバタしていた。交通事故か激突が原因と考えられる。 | ||
| 負傷の状態 | 外傷は無いが、両脚の動きが鈍い。 レントゲン検査の結果、右脛骨骨折を確認する。 左脚も弱く、神経麻痺を起こしている模様である。 | ||
| 治療の概要 | 保護された時の状態が悪かったので、骨折の手術はあきらめ、テーピングによる右脚の固定を行った。 この間、ビタミン剤・抗生物質(バイトリル)を投与し、保温を行う。 入院数日して食欲が出てきて動きも活発になってきた。 3週間程度で骨の癒合が見られたので、テーピングを除去する。 以後、骨折は治癒したが徐々に両脚の麻痺が進行し、2002年3月26日現在、両脚の完全麻痺に至る。 | ||
| 最終転帰 | 2002年3月26日現在、入院中。 自然復帰は困難だと思われる。 | ||
両脚が使えず衰弱 右脛骨骨折
骨折の治癒 両脚の麻痺
- 症例4.キジバトの外傷
動物種
キジバト (成鳥 性別不明)
保護年月日
2001年5月14日
保護の場所
奈良市中山町の路上
保護の状況
路上にて動けずにうずくまっていた
負傷の状態
頭部皮膚の裂傷
嚢の損傷
治療の概要
5/14 損傷部の縫合。以後、強制給餌を行う。
5/25 抜糸。リハビリを繰り返す。
最終転帰
8/3 放鳥
- 症例5.衰弱したバンの幼鳥
動物種
バン (幼鳥 性別不明)
保護年月日
2001年9月12日
保護の場所
奈良市押熊町の路上
保護の状況
電柱から落下した様子で、起立できないでいた。
負傷の状態
起立不能。外傷は特に無し。
保護後パンを少し食べるなど多少食欲は有り、攻撃姿勢もとる。
治療の概要
9/12 段ボール箱に入れ、赤外線ランプにて保温に努める。
5日間ミルワームとすり餌をこまめに給餌する。
最終転帰
押熊町の本屋裏の沼地にて放鳥
- 症例6.野ウサギの交通事故
動物種
野ウサギ (成獣 性別不明)
保護年月日
2001年11月30日
保護の場所
奈良市内路上
保護の状況
保護者が車で轢いたとの事。
負傷の状態
前肢(右上腕骨)の骨折。肋骨の骨折。
広範囲な皮膚の剥離。
最終転帰
皮膚の剥離など、自然復帰が困難だと思われ、安楽死を選択する。
投稿者 naravma : 2004年10月06日 17:20
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